106鐃縦子鐃縮夕鐃緒申

ふうりん   ほうき ふ じ    あかね
風鈴や伯耆富士いま茜いろ
石山秋月
                                        き      ゆやけ
この丘のたしかめに来し夕焼かな
ゆうなぎ  こ   えが まち
夕凪の弧を描く街を見はるかし
いちぢ お   ほお  よかぜ
一事終へ頬に夜風や秋立てり
こう        ゆうひ  ちゅう  あかとんぼ
交みつつ夕日の宙の赤蜻蛉
まつむし  やみ かたへ もど
松虫の闇を傍に戻りけり
                    ぼん  あ
行く雲もとどまる雲も盆の明け
てらまち             あきゆやけ
寺町に寺の並びて秋夕焼
           もぐ ちゅう   ふゆゆやけ
かひつぶり潜り中なり冬夕焼
やまがき  いちじゅ       ひぐれ
山柿の一樹一樹の日暮かな
新屋信子