308鐃緒申鐃緒申鐃スR鐃緒申鐃緒申

 さざんか   てんたく
山茶花の転宅の日を咲きはじむ
石山秋月
 さざんか  こぼれ
山茶花の零れはじめの母の家
 しかく     さざんか かき
四角なる山茶花垣の咲き初めし
いろどり  ぼうえん     さだ
色鳥に望遠カメラ定まらず
 さざんか   こぼ
山茶花の零れ始める雨あがり
 さざんか   すがお  つま
山茶花に素顔の妻のひと日かな
ひるね ご   まかだま
昼寝児の勾玉となりゐたりけり
とりかげ  しろ さざんか   こぼ
鳥影に白山茶花の零れけり
とり ご や   とり  かたま よかん
鶏小屋の鶏の塊る余寒かな
じゅくしいまは       とお
熟柿今歯にしみ透る母のくに
山崎佐和子