318鐃緒申鐃ス~

はくばい いちりん   た
白梅の一輪に足るきのうけふ
石山秋月
       にお
白梅の匂ふ夜は子と語るべし
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ホームレステントの横の梅の白
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だんこうばい いちじゅ       かたみ
檀香梅の一樹は父の形見なり

ホームより城を見てゐる春の暮
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りっしゅん すなばしかく    ぬ
立春の砂場四角く濡れゐたり
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はなだ色残し発ちたり春の鳥
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たんばい
探梅やベンチにありし缶コーヒー
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はるばうし      と
春帽子もの問ひたげに振り向ぬ
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                          その
また一人来て夕づきし梅の園
藤原佐和子