302鐃緒申ニ崎^緒申鐃ス

                       はなも
ふるさとのいま風立てる花藻かな
石山秋月
えんらい いちりょう
遠雷や一輌電車走りくる
ぼん こち   いこまさんちょうせま
盆東風の生駒山頂逼りけり
                    はなも
うろくずの影の走りし花藻かな
 あ こ   て   の    ささぶねかぜかお
吾子の掌に載せし笹船風薫る
ろうおう           つな
老鶯の声口笛で繋ぎけり
 も
藻の花の水にしたがう白さかな
あおた    ところどころ
青田まだ所々に水の空
よし ゆ                  よしすずめ
葭揺れて声のみだれし葭雀
           へい
ふれあひて塀を超へゆく梅雨の蝶
新屋信子