323鐃緒申鐃スI

どうじょう   しない       ふじ
道場の竹刀の音や藤の花
石山秋月 
           かふんじょうほう
春あけぼの花粉情報気がかりな
ふじ  ひるまいこ  ひざ
藤の昼舞妓の膝のコンパクト
はつちょう すなば
初蝶の砂場をとぶはじぐざぐと

ひと声のそれらしく跳び春の猫
                         もず
この頃の声となりたる春の鵙
やまふじ      さか
山藤の花の盛りの根なりけり
せいそう  おやこなら    ふじ
正装の父子並びし藤の下
たつまき      ふじづる
竜巻の如き藤蔓花ざかり
ふで            ふじち
筆を取る老人に藤散りにけり
佐藤真澄