304鐃スv鐃ス[鐃緒申

つま      から       かぶとむし
抓まれて空歩きする兜虫
石山秋月 
                     はくしょ
レントゲン室の前なる薄暑かな
ふんすい            かっさい
噴水の向ふの妻を喝采す

冷蔵庫の丸き包みの覚えざる
             はず     や    はないばら
テニスボール弾みの止みし花茨
くじゃくそうえんじ        と ぎ
孔雀草園児の列の途切れけり

妹は黒パラソルでめかしくる
 つ        じゅうやく  か  
着いてまづ十薬の香の母の家
あさいち          なつわらび
朝市の一束残る夏蕨
 つ ゆばれ くりや  え び   は
梅雨晴の厨に海老の跳ねにけり
花本雅江