516鐃緒申鐃旬三


どの子にも日の当りゐる七五三
石山秋月
 よ べ
昨夜の雨ゆきわたりけり七五三
こ はるび
小春日のひとりで遊ぶ女の子

冬ざれの色の落ち葉の砂場かな
 かしつき   おと  や
加湿器の音の止みたる子供部屋
          か            はつごおり
子の声の駆けて来るなり初氷

校門の開いてゐるなり冬の月
せんしゅう そろ
浅春や揃へてありし赤い靴
                        あと
冬めくや砂場に残る水の跡
       ぬ  は   ぎ       ふゆ ざしき
しつけ抜く晴れ着広げし冬座敷
新屋信子