まんじゅしゃげおのれ あ 曼珠沙華己れに褪せてゐたりけり |
石山秋月 |
まんじゅしゃげ 曼珠沙華のっぺらぼうの石の横 |
〃 |
まんじゅしゃげ 銀ぎつね走りしあとの曼珠沙華 |
〃 |
まんじゅしゃげきつね 曼珠沙華狐がコンと鳴きさうな |
〃 |
ふるさと えき かれの 故郷の駅より枯野始まれる |
〃 |
そな はか みそはぎの花を供へし母の墓 |
〃 |
のじぞう かた もた まんじゅしゃげ 野地蔵の肩に凭れし曼珠沙華 |
〃 |
まんじゅしゃげ たなだ も うつ 曼珠沙華棚田の下へ燃え移る |
〃 |
どしょうまち にじ 修道町あたりにかかる秋の虹 |
〃 |
あかちら まんじゅしゃげ 水べりに紅散したる曼珠沙華 |
新屋信子 |