710鐃緒申鐃スz鐃緒申

さいばん               かも  じん
歳晩のひかりとなれる鴨の陣
石山秋月
 あ              かも
会ひに来たれば鴨たちの太りをり
ふゆゆやけ             つりいかだ
冬夕焼しばらくのせし釣筏

枯れ葦の奥に拡がる鴨の陣
    うみびんちょうたん おおみうし
秋の湖備長炭に近江牛
はつがも      ゆうぎり  つつ
初鴨の来て夕霧の包みけり
        かれ         こさいせん
行く程に枯深かりし湖西線
はまかぜ               よしすずめ
浜風にしづかになりし葭雀
あまあし         いりえ       かも
雨脚の見ゆる入江の夏の鴨
うすび さ
薄日射す方へ鴨の子流れけり
新屋信子